【まごころ通信】 第13話 人生相談 by小峰裕子

車で移動中はラジオを付けていて、「テレフォン人生相談」というコーナーがあり、何となく聴いています。親子関係、夫婦、友人、仕事、学校、お金、健康、とそれぞれですが「みんな悩んでいるんだなあ」と感じます。

前向きに意欲を持って生きていこう、などとありきたりのことを言うつもりはありません。確かに上手くいく人は目標に向かって努力を怠らず可能性に挑戦し、結果と自信を手に入れます。ただ、それは私を含め多くの人にとってやさしいことではないんですね。人生相談とまでいかなくても、思い通りに行かないことを思い知らされる月々だったりします。

そんな時、ずいぶん前に読んだ「ゾウの時間・ネズミの時間」 という本を思い出すことがあります。動物は体のサイズが違っていても一生に打つ心臓の回数はほぼ同じで、打つスピードが違うのだそうです。同じ空間にいても全く違う時間を過ごしているんですね。つまり時間が違えば世界観も違ってくるという内容でした。

こんな風に自然界の、たとえば地球とか宇宙とかのスケールからすれば、私たちは小さな居場所でくよくよ悩みながら長生きしてせいぜい100年の、笑ってしまうくらいちっぽけな存在です。でも、それが「わたし」に他ありません。だからこそ小さな出来事を大切にして生きていく、時に人生相談さながらくよくよ悩んでも悲しんでも、目の前に起きることを受け入れようと考えるようにしています。

新しい年が皆さんにとって素晴らしい1年となりますように。