【まごころ通信】 第14話 グローバル・スタンダード by小峰裕子

グローバル・スタンダードとは、金融を初め技術や会計基準などの分野で国際的な一定の標準・規則を示す用語です。「共同体としての物差し」と捉えればわかりやすいですね。では、不動産という共同体・枠組みの中で、私たちはどのような立ち位置にいるのかを検証してみたいと思います。

賃貸物件をお預かりすると、実に様々な仕事が飛び込んできます。物件もそれぞれ、入居者もそれぞれですから、一つの物差しで物事を判断することはできません。新人さんが苦労するところですね。結果、満室経営が持続し、オーナー様の満足に繋がることで評価を頂くことが出来るわけです。いわば主観的な判断で行う、アナログ的管理運営手法です。

それに対してグローバル・スタンダードの物差しは1本です。客観的でデジタル、誰にでも分かりやすい手法だと言えます。たとえば「利回り」です。不動産からどれくらい収益が上がっているかを利回りで示せたら、他の不動産との比較が出来ます。(ROEといいます)金融商品との比較だって出来ます。つまり「資産」のひとつとしての不動産という考え方まで、出来るようになります。

私たちの仕事は、直接グローバル・スタンダードに関与していない、むしろ真逆とも言えるローカル・スタンダードの真骨頂です。しかしローカル・スタンダードの価値を備えてこそ、グローバル・スタンダードのマーケットに入っていけることに気がついて下さい。両方を備えたハイブリッド不動産こそオーナー様の資産拡大への道であり、私たちに管理を任せて頂いている理由と考えて下さい。お預かりする物件の質的向上へと、常に目標を持つことが必要なのです。