相続法約40年ぶりの改正・・第1回
約40年ぶりに改正される「相続法」ですが、 こまめくんの中で4回に分けて要所をご紹介。 今回は『配偶者居住権』について。配偶者居住権は、相続発生時に同居の配偶者に終身、または一定期間無償で、所有建物を使用できる権利が与えられるというもの。要は配偶者の生活の安定を図る目的の権利です。これにより遺産分割の際に建物の権利を「負担付所有権」と、「配偶者居住権」とに分けることができるようです。 ・・・・わかりにくいので例を挙げてご説明しますね。 夫婦で暮らしていて、子供が一人(長男)の3人家族の場合、お父様が亡くなられた時点で資産は自宅(評価額3000万円)と現金1000万円の合計4000万円だったとします。 相続人はお母様(配偶者)と長男さん。法定相続分は2分の1ずつで、お母様と長男さんは折り合いが悪く、揉める事が予想されるケース。 ■改正前であれば お母様と長男さんには資産2000万円を相続する権利が。お母様は家に思い入れがあり、住み続けたいと主張。家に住み続けるには2つの選択肢があります。 ①1000万円を調達し、相続資産の現金1000万円と併せて2000万円を長男に渡す。(代償分割) ②家を売却。現金をお母様と長男さんで折半。 ・・・お母様の立場に立つと可哀想な気がします。 ■改正後は お母様は配偶者居住権を主張。権利が認められ、終身で建物使用の権利が獲得できました。相続資産の分割方法として お母様→配偶者居住権(1500万円)現金500万円 長男さん→負担付所有権(1500万円)現金500万円 という形に。お母様は所有権とは異なりますので売ったり貸したりができませんが、安定した老後が確保できました。 というように、新しい相続の形が見えてきました。しかし、心配事もあります。子供の立場立ったらどうなの?居住権の評価は?まだまだ理解のない新しい制度。一筋縄ではいかないようです。 もとより円満相続でありたいものです。