【まごころ通信】 第47話 年は越えるもの by小峰裕子

さて、12月です。12月はどちらかと言えば苦手、理由は「絶対すべきこと」が多すぎるからです。しかも先延ばしできないことばかりです。それはなぜか。新年が控えているからです。

忘年会やクリスマスなど楽しいこともたくさんあります。そのための時間と費用の捻出は大切ですが、当然、使える時間もお金も減ります。何とかやりくりして楽しむだけ楽しんで、仕事納めの後、風邪を引いたりするから困ったものですね。

そんな忙しい年末にまつわる言葉を集めてみました。「つめづめ」さんという苗字を知っていますか?漢字で書くと「十一月二十九日」さんです。今、実在するかは不明ですが、「29(にく)」の日ばかりに注目せず、この日を行き詰まりのぎりぎりモードにならないよう、警告の日としたいものです。ちなみに「十二月一日」さんは「しわすだ」さんです。12月8日は「事納め」でその年の農事等雑事をしまう日、そして12月13日は年神様を迎える準備を始める正月事始めです。昔はこの日に、門松やお雑煮を炊くための薪等、お正月に必要な木を山へ取りに行ったそうです。前日の12日は「今年を表す漢字」が京都の清水寺で発表されますが、気忙しくなるのもこの頃です。無事に除夜の鐘が聴けるのかどうか、勝負の日々の始まりです。

前もってできることは少しずつやれば大ごとにならずに済むのですが、毎年やれていません。お盆は「過ぎる」ものですが、年は「超す」ものです。ハードルの高さがそもそも違うのです。こころして過ごすべき、それが12月です。来年もみなさんに毎日幸せが訪れますように。