【まごころ通信】 第10話 「面と向かって」話すということ by小峰裕子

ホークス率いるソフトバンクグループは、今年6月に世界初の感情認識ロボット「ペッパー」を開発中と発表しました。話しかけると目が合うのだそうです。人がロボットとより良い関係を築くためには「目が合う」ことが重要と位置づけた訳です。

ある日のこと、知人からご連絡を頂きました。「小峰さん、こまめくんを送ってくれてありがとうございます。がんばってますね!」反響を頂くと俄然元気になります。嬉しいことに、その方もニュースレターを始めたと教えてくれました。「では私にもお届け下さいますか。メールかFAXで」とお願いしたところ、その方は「いえ、私がお届けに参ります」と言うのです。多忙な方です。驚きました。

時々しか作らないし、お届け先も多くないからと言われましたが、一番の理由は「面と向かって話がしたい」からだそうです。参りました。現代を生きる私たちの通信手段は実に多様です。しかし、そういう手段を持たない時代の人々の繋がりは、希薄だったでしょうか。思いやりや感謝の気持ちは届きにくかったのでしょうか。違いますよね。

携帯画面に向かって話しかけても感情移入はできません。どれほど便利な通信手段でも所詮、文字は文字、写真は写真です。それが面と向かい目と目を合わせて話をすれば、相手の気持ちを考えて話すことが出来ます。得られる情報の量と質が圧倒的に違うのです。皆さんも取引先とは出来るだけ面と向かってお話しできるよう時間をやりくりしてみてはいかがでしょうか。「目は口ほどにものを言う」ともいいますよ。皆さんの誠実な気持ちと仕事が実を結びますように。