「都民ファースト」を掲げる小池百合子都知事の座右の銘、それは「失敗の本質」という本でした。日本の敗戦は日本軍の組織としての失敗であったとして、現在も組織運営の教訓として取り上げられる一冊です。
組織に共通するのは、理念を共有し、目的の実現を使命とする人々が集合し、成果を出すことで世の中に評価されるということです。やりたいことが同じでも、使命感を持たない人の集まりはSNSやサークルなどの仲良しクラブ、つまりコミュニティです。
コミュニティは当社にも必要です。ただ、それが皆さんにとって良い仕事につながるかといえば違います。「良い仕事」とはどういう意味でしょうか。それはプロとしてお客さまに信頼される仕事を指します。皆さんは「ひとつの行動や言動がもたらすお客様の反応やその結果」について、社員同士で具体的に伝えていますか。「あなたのやったことは間違いではないけど、良い反響につなげるにはこうしてみたらいいよ」。これをフィードバックと言います。仕事に慣れてくると、流れ作業になってしまい、対応がおろそかになります。「あら?」気が付いたらを遠慮せず、その場でフィードバックしてみませんか。
「失敗の本質」には、日本軍が組織の融和と調和を重視するあまり、自己革新能力を持つことができなかった(あとがき)とあります。自分ができてないことは指摘されないと案外わからないし、相手に関心を持つことで別な考え方があることを学べます。ただし思いやりを持って。「あなたがこう言ったから、クレームにならなかったね」とういうのもフィードバックです。革新をもたらすのは、毎日の少しばかりの心がけです。