【まごころ通信】 第45話 気が利く人になる道 by小峰裕子

後に使う人のことを考えない、言われたことしか動かない、こちらが気を利かせていることに気づかない、「この人って本当に気が利かないよね」確かにそう思います。

「言われただけをやる月給泥棒、言われた以上をやる普通の人、言った人が思う以上にやる上出来な人」と、学生時代アルバイト先の店長から言われて衝撃を受けました。上出来な仕事でなければ、必要な人と思ってもらえないと思い知ったのです。

気が利かない人は、寸分漏れずに仕事ができません。それからというもの、性格を変える気持ちで次のようなことに挑みました。

「先回りする」「相手の手間を減らす」「周りに関心を持ってよく観察する」「人が面倒くさがることでも自分にできそうならする」「すぐやる」。他にも「真似する」というようなことも、試みたりしました。それでも気が利く人間になれたかといえば、自信なしです。未だに自分にダメだしすることなんて、しょっちゅうあります。気が利く人になる道は険しいのです。

 

忙しさを理由に自分本位な仕事をしたり、臨機応変な対応を避けるようになってはいませんか。雑用とて侮ってはいけません。ファイリングを例にしても「誰がやったのか」で、その後の使い勝手が違うことは皆さんも経験済みですね。どんな仕事であろうとも、気が利く人の振る舞いは相手や周りを嬉しい気持ちにしてくれます。それは思いやりであったり、ちょっとした譲り合いの気持ちからだったりするのでしょう。「察する」という超能力?といってもいい文化を持つ日本人。自画自賛ですが、私たちは想像力豊かな仕事人なのです。