【まごころ通信】 第36話 ふるさと by小峰裕子

あけましておめでとうございます

お正月は楽しく過ごせましたか。お休みに入ったとたんにホッとして風邪を引いた、という人も毎年います。健康が一番。身体を大切にし、皆さんと皆さんのご家族にとって素晴らしい1年にして下さい。

本年もよろしくお願いします。

帰省ラッシュの様子がニュースで流れていました。高速道路を走る車の長い列、行き交う人々で混雑する空港のロビー、駅のホームで涙ぐみながら見送る人たち。転勤族でふるさとらしき町がない私は「いい光景だなあ」と心底思ってしまいます。

兎追いし かの山 小鮒釣りし かの川 夢は今も めぐりて 忘れがたき ふるさと

如何にいます 父母 つつがなしや 友がき 雨に風に つけても 思い出ずる ふるさと

こころざしを はたして いつの日にか 帰らん 山は青き ふるさと 水は清き ふるさと

幼い頃から自分を知る人たちがいて、思い出を共に笑い合える人がいて、幼い頃から知っている風景とその匂い、気がつくと素の自分がいる町、それがふるさとではないでしょうか。お祭りがあり、歌い継がれる歌があり、食べ物、遊び場所、風習が残る町。転校の度に、その町で暮らし続ける友達が本当にうらやましかったです。

ふるさとは、自分のよりどころ、軸足となる場である気がします。気がつけば箱崎で暮らすようになり29年が経ちます。かく言う私は、箱崎の町がふるさとになりつつあるのかもしれません。