【まごころ通信】 第53話 人が祈りを捧ぐ時  by小峰裕子

神さま仏さま、どうか願いを叶えてください!試験に受かりたい、どうしても契約を取りたい、成功させたい。私たちは注いだ時間や熱情が人の何倍だったとしても、必ず結果が出せるとは限らない事を知っています。最後は神頼みかご先祖様か、皆さんも経験あることでしょう。

松下幸之助さんは、伊勢神宮など記録に残るだけでも神社15カ所に茶室を献納したことで知られています。ご多聞にもれず、成功する人は神社の参拝かご先祖様のお墓参りを欠かさない人が多いとか。

先日ラジオであるパーソナリティが、「司会の仕事はいつも緊張する」と話していましたが、わかるような気がしました。自信たっぷりなパーソナリティの話は面白くないし、リスナーに対して見下したような冗談とも取れないコメントを言ったりします。どうしたらリスナーが楽しんでくれるだろうか、わかりやすく話せているだろうかと一所懸命考える時、人は謙虚です。成功していて、そのことに自信を持つことは悪いことではありません。ただ、その成功は自分1人で成し遂げたものではないはずです。「たまたま○○だった」。良く聞きますが、世の中は目に見えない何かが作用しているのかもしれません。

自分を助けてくれる、人智を超える何か。人が祈りを捧ぐ時、それは人としてとても「素直」で「謙虚」な姿なのだと思います。「勝って兜の緒を締めよ」という格言もあります。慢心するほど勝ってない?にしても、大事なく暮らせているのは、きっと誰かのおかげなのです。