「所有者不明の土地」は将来どうなる?問題解決の3つの仕組みとは?

「所有者不明土地」の利用の円滑化等

2018年11月に施工された特別措置法です。
意外と知らない方も多いのではないでしょうか。実はこの所有者不明の土地、2016年時点で日本の国土の約20%を超えています。20%というと、九州がすっぽり入る広さ。そんな広大な土地が所有者不明なんて、驚きます(約410万ha)。
そもそも所有者不明の原因には、「相続」が深く関わっているようです。この所有者不明の土地も、当然ながら登記簿上では所有者が存在します。この名義人が調べてみると明治の頃から変わっていなかったり、所有者が変わっているけれども法務局に登記されていないことから割り出しが困難になっているようです。
現状では相続登記が義務化されていません。被相続人の死後、相続人が登記簿上の名義を書き換えないまま放置し、4代、5代と継承されることで相続人の数が100名を超えてしまい、調べることが困難なのだそうです。当然、このような土地が多くある場合、そこに道路を通したい、鉄道を通したいというときに話が進みません。実際に所有者が判明するまで多くの手間と費用をかけて探索する必要がありました。
2016年の損失コストは1800億円を超えているそうです。国土の20%の土地が活用できない状況だと考えると、今回の制度の施行も頷けますね。この制度では主に3つのことが挙げられています。
①所有者不明の土地を円滑に利用できる仕組み
・・公共性・公益性のある事業の場合、収用手続きが合理化・円滑化されました。また、10年を上限とし、土地の利用権の設定が可能に。(公園、緑地、文化共用施設、直売所など国、都道府県の事業認定要す)
②所有者の探索の限度を定める仕組み
・・公的情報について、行政機関が利用できる制度を創設。所有者の探索については親族への聞き取りまでと定義されました。
③所有者不明土地を適切に管理する仕組み
・・特に必要がある場合に、地方公共団体の長等が家庭裁判所に対し財産管理人の選任等を請求可能にする制度を創設

上記では簡単に書いていますが、様々な制限や手間があります。活用されるべき土地が眠ってしまわないようにしっかり確認していく必要があります。