民法改正「瑕疵担保責任」から 「契約不適合責任」へ。
2020年4月に施行される契約不適合責任。これまでの瑕疵担保責任が廃止され新たな視点で契約を行う必要があります。 これから売買が行われる土地・建物に関わってきますので勉強が必要です。瑕疵担保責任が「契約不適合責任」になるとどの様に変わるのでしょうか?契約不適合責任は読んで字のとおり、引き渡された売買の目的物が、種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合、売主側が買主側に対して負う責任のことを指します。契約不適合状態であれば損害賠償請求の対象となるので注意しましょう。さらに契約が正常に履行されれば得られていたであろう利益についても請求できるようになります。改正後は従前の場合に比べ、買主側の権利が広範囲にわたりますので総じて請求額が多額になる可能性があります。
◆契約書への記載が重要に
改正後は契約の内容と対象物(土地・建物)が合致しているか否かが重要になります。合致していなければ合致させる義務が出てきますので、上記記載通り買主側の権利が認められやすくなります。したがって、改正後は以前に増して対象となる不動産の調査、契約書への落とし込みも細かな部分まで必要になります。 買主目線で見ると、以前に増して事細かに情報を得られる事はいいことですね。安心して取引が可能となります。売主としては契約書に詳細を記載することで問題回避ができますので、仲介業者に細かく物件について伝える必要があります。
◆追完請求と代金減殺請求が可能に
改正前同様、損害賠償請求、契約解除はできますが、加えて追完請求(契約不適合箇所の修繕)ができるように。催促をしても対応されない場合は代金減殺請求(減額請求)も可能となります。 改正はされるものの、根底として、売主・買主間での物件情報の共有と、契約書面でのしっかりとした説明が必要だという点では変わりないようです。
◆増えるインスペクション件数
これからの不動産取引ではインスペクション(第三者機関による物件調査)が重要になってくるように感じます。実際に専門機関への問い合わせやインスペクションが行われている件数も増えているそうです。間を取り持つ不動産業者として、安心・安全な取引を心がけることが変わらず大切です。