【まごころ通信】 第65話 支えてもらう側にできること by小峰裕子

今回は皆さんの老後、そして日本の姿について、お金という側面から考えてみます。まず老後と言えば年金ですが、その受給額はどう決まるのでしょう。

これ、物の値段や現役世代の賃金が上がれば年金受給額も上がるという「物価スライド方式」という仕組みが基本です。そこに2004年の法律改正で、物価や賃金の上昇に応じて増える受給額を自動的に抑制する仕組みが導入されました。「マクロ経済スライド方式」といいます。

仮に物価上昇が続いた場合、調整が入る分だけ年金額の上昇が追いつかない状況になっていきます。厚生労働省の試算によれば、調整は「経済が順調に発展すれば」2043年まで続くとしています。つまり年金だけでは生活が困窮する可能性が高く、若い世代ほどお金は「貯める」のではなく「運用」で増やさなければ間に合わなくなるといえます。現役世代の負担を減らすための調整とは言え、少ない子ども達に支えてもらう社会の現実です。

ただ、私たちは子ども達に支えてもらうことに甘んじることなく、圧倒的に多い高齢世代の数の力で経済を回し、社会に還元して次世代の子ども達を育むことだって出来るはずです。来月から始まる「しあわせ倍増サロン」は、お客様が安心して資産管理と運用に取り組めるよう、公正中立な情報提供の場として開かれます。祖父母や父母の世代は、戦争を乗り越えて私たちに豊かさをもたらしてくれました。日本の未来を信じ、子どもやお孫さんがお金で悩まず幸せに暮らせるように、健全な資産づくりは必須の情勢です。とりわけ不動産は長期投資、他の資産とのベストミックスが肝心。大洋魂を持ってお客様、そしてより良い明日に貢献して参りましょう。「しあわせ倍増サロン」いよいよ始まります。

大洋不動産不動社内報「こまめくん75号」より抜粋

 

【まごころ通信】 第64話 負けに不思議な負けなし by小峰裕子

「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」。これ、名言ですね。江戸時代後期、平戸藩の藩主で名君と謳われた松浦静山(まつら せいざん)が遺した言葉です。

元プロ野球監督の野村克也氏が引用した言葉としても有名で、要は「負けるべくして負けた」ということです。なぜ負けたのか、失敗から学ぶべきことは多いものです。

相続手続きのお手伝いを始めたばかりの頃です。相手方が無理難題ばかり突きつけているような気がして、前に進まず焦っていた時のこと。つい先輩にぼやくと、笑いながらこう言われました。「小峰さん。小っちゃい小っちゃい!相手の言うこと、素直に聞いてみなさいよ」。「こうあるべき」と自分が考えるように相手も考えてくれると思う、お粗末な感情に囚われていることに気が付かされました。上手くいくときは自分に甘く、上手くいかないときは相手に厳しくしていたんですね。悪縁良縁、生かすも殺すも自分次第。自分の考え方や癖、行動プロセスを知り、足りない点は素直に認め、順調なときも奢らず感謝の気持ちを忘れずにいたいと願いながら、未だ修行が足りていません。

頭では分かっているつもりでも、価値観の違いをすんなり認めることはなかなか難しいことです。同じ釜の飯友である皆さんでさえ千差万別なのに不特定多数のお客様となればなおのこと、相手のせいにしてしまったら自分の成長はありません。

ただ、こればかりは具体的に教えるのが難しいんです。皆さんそれぞれご苦労はあるでしょうが、人間力を磨き共感し合える感性を紡いで頂きたいと願っています。思わぬひらめきに救われる日が、きっと訪れます!

大洋不動産 社内報「こまめくん74号」より抜粋

 

【まごころ通信】 第63話 子どもは理解している by小峰裕子

ひょんな事から、子どもを預かるという経験をしました。姪夫婦の子で「3才成り立て」と「ピカピカ小学1年生」という女の子ふたり、ほぼ初対面に近い関係です。

子育て世代のママ達から、ぐずったときの対応や移動中の注意点、子どもが好むお菓子、自宅での過ごさせ方など事前にリサーチして備えましたが「大丈夫か?!」という心境でした。

さあ朝7時、「なに??」と泣きそうになる下の子の気をアイスで紛らわす隙にバトンタッチです。用意した朝ご飯を思いがけず楽しそうに完食してくれて歯磨き。お姉ちゃんは自分でしますが、妹ちゃんはお手伝いが必要です。可愛い!紙パンツが濡れてないかの確認も嫌がることなく身を任せてくれますし、安心した(ふり?)表情でぐずることもありません。それどころかお姉ちゃんが本当によく面倒を見てくれるし、それを褒めると恥ずかしがりつつもまんざらでない様子。やっぱり可愛い!果たして子どもと過ごした10時間余り、問題もなく無事終えました。送り届ける車中では二人とも爆睡です。新居に着いてパパが顔を見せると、下の子は「パパ!」と走り出し泣きべそかいて甘え始めました。やれやれ、気を遣っていたのは子ども達だったようです。

子どもって、大人が思うよりよく周囲の状況を理解してますよね。保育士の話では乳児でも周囲の状況はそれなりに理解するらしく、可能な限り大人がいる場所で過ごしたら良いと思います。そうした体験は脳の奥深くに組み込まれ、大人になって必要な場面で取り出されると聞いたこともあります。泣いているお子さんがいたら一緒 にあやしましょう。まあ、子ど もを連れて歩いていると婆 や世代とよく目が合うし話し かけられたりして、ほっこり新 鮮で幸せな1日でした。

【まごころ通信】 第62話 自分はだれ? by小峰裕子

繁忙期に入り、店内も慌ただしくなってきました。例年3月中旬あたりから忙しさとの追いかけっこですが、春のお彼岸もちょうどその頃、重なりますね。

お墓の前で手を合わせると、なぜだかホッとします。お彼岸だからと言わず、もっと気軽にお墓参りができたら良いのですがそうもいかず。せめて自宅で毎朝ご先祖様を敬い、安らかでいて下さいと祈る気持ちは必要かなと感じます。

私たちはひとりで生まれてきたわけではなく、もし両親が別な人と結婚していたら自分は自分ではないし、祖父母が、曾祖父母が...と思うと、運命の赤い糸を感じます。仕草や考え方に、ふとDNAを思い知らされることがありませんか?それは紛れもなく血筋であり家系です。家系は家族の軸でありプロセスだとすれば、「一代で成し得ないことを親子三代で」実現させてしまうことも出来るわけで、それは希望という良い感情が連鎖して作り上げた家族の物語です。これ、悪いことも家族の感情連鎖の現れだと考えると、自分の考えや行動は子々孫々にまで影響を及ぼすことだと気が付きます。「こんな親戚がいた」とか「こだわり(ルール)」など知れば知るほど、今に繋がる家風というか文脈が浮かび上がって面白いです。

「自分はだれ?」。お墓参りに行くとホッとするのは、自分とは何者なのか、自分はこういう人間だというアイデンティティを強く感じるからではないでしょうか。核家族化で血筋や家系が顧みられることは少なくなりましたが、自分らしさのベースにあるのは良くも悪くも家族であり家系です。代々受け継がれてきたなんて大げさに意識することがなくても、ご先祖様の赤い糸に感謝して手を合わせると良いことがありそうな気がします。

【まごころ通信】 第61話 聖徳太子 by小峰裕子

さあ、新たな年を祝い運気が上がる?話をしましょう。今、1万円札の肖像は福沢諭吉ですが、昭和世代が親しんだといえばやはり聖徳太子です。 聖徳太子は1400年前の飛鳥時代、19歳で推古天皇の摂政となって国政改革に挑み、今に繋がる日本と日本人の礎を築いた偉人です。その肖像がお札に描かれたのは最多の7回、確か5,000円札も聖徳太子だった時代があったように記憶しています。 また聖徳太子と言えばこれ、「和(やわらぎ)をもって貴し(たっとうし)となす」。十七条憲法第一条です。これには続きがあり、現代語訳を紹介します。「人はグループをつくりたがり、悟りきった人格者は少ない。それだから、君主や父親のいうことに従わなかったり、近隣の人たちともうまくいかない。しかし上の者も下の者も協調や親睦の気持ちをもって論議するなら、おのずからものごとの道理にかない、どんなことも成就するものだ」。つまり理念とするところは「やわらぎ」だけど現実は厳しい、しかし「礼をわきまえて皆で話し合えば出した答えは道理にかないすべてはうまくいく」と示したのです。これが日本の国造り戦略、十七条憲法第一条の本当の意味です。右向け右、多数に従いなさいと言っているわけではなかったのです。第十条ではこうも言います。「他人が自分と違っていても怒ってはなりません。自分は必ず聖人で相手が必ず愚かだということはなく、共に凡人です。良いとか良くないとか、だれが定めるのでしょうか」とあります。「いろいろな人がいても良いではないか」とも取れ、聖徳太子自身の優しさ、深い洞察を感じます。604年、聖徳太子31歳の時です。 お札に描かれる人物は揃いも揃って 偉業を成し遂げた実在の 人です。身の丈に合っ た暮らしをしていれば、 応援しようと必ず集ま ってきてくれますよ。

【まごころ通信】 第60話 器 by小峰裕子

さて、もう幾つ寝るとお正月。たくさんのご縁に支えられたこの1年、皆さんの成長を見定めながら目指すべき会社の方向性と評価軸との整合性を大切に思います。

求められる会社、そして人であるための学びは必須です。学ぶ志はその人の器を物語っていると考えていますが、自らを振り返ってどう感じるでしょうか。

例えば、絶対まとまらないだろうなと思う話をまとめることができる人と、混乱させたり立ち消えになってしまう人とは大きな違いがあります。「木を見て森を見ず」とは良く言ったもので、「この人はこうだ」と決めてかかると、反対に相手の気持ちは離れていくようです。私たちはモノを作ったり仕入れて売る仕事をしているわけではなく、詰まるところプロセスにおける「交渉事」「お願い事」「報告」「譲歩」等々は、すべてクリエイティブでアートな仕事だと思います。どうすればお客さまの望みをかなえて差し上げることが出来るか、心配事をなくし、心が豊かになるような結果を創出することができるのか。相手の言動を謙虚に受け止め素直に見つめていると、話をまとめる法則が見つかるはずです。結果を残す人は自分を押しつけません。アートの世界は1+1=2ではないのです。

学ぶと自分がいる場所を思い知り謙虚になります。また学ぶと自分の至らなさを知り素直になります。つまり学ぶことこそ私たちの「仕入れ」です。学びとは、知るだけでなく体験することを含みます。「知る」と「体験する」はコインの裏表のようなもので、どんな知識も実践しなければ本当に身についたとは言えません。さあ、課題が見つかりましたね。大洋不動産も今より少し大きな器を目指します!

来年もみなさんに毎日幸せが訪れますように。

 

大洋不動産社内報「こまめくん」第70号より抜粋

 

【まごころ通信】 第59話 取り分 by小峰裕子

「生活笑百科」というNHKの長寿番組、実は随分長いことファンで家にいるときは必ず観ています。暮らしのもめ事を漫才にしてゲストがジャッジ、弁護士に「先生どないなっとりますの?」というものです。

世相だなあと思うテーマのひとつに「相続」がありますが、近頃気になる言い回しがあります。それは遺産の相続分のことを「取り分」と言っていることです。相続では誰がどれくらいもらえるかについては「法定相続分」 といって法律で定められていますね。相続分は権利でもありますから「取り分」と言ってもかまわないのですが、ちょっと待った!その遺産を築いたのは自分じゃないですよね。

偶然にも去年から今年にかけて「親の預貯金」を元手に不動産投資を始めたいという、お子さん側からのご相談が続きました。親からすれば、子どもの未来のためにこれまで貯めた預貯金を使って欲しいという気持ちなのでしょう。お子さんは30才前後と若い方ばかりですが、きっと年齢を重ねるほどに親に深い感謝と尊敬の気持ちを持つことと思います。なぜなら親が一所懸命築いた預貯金は「取り分」という権利ではなく、与えて頂いた親心に他ならないからです。

「ではその預貯金を元手に借り入れをして○千万円の不動産オーナーに!レバレッジを効かせて収益性を高めましょう!」などと口のうまい営業マンにはならないでくださいね。それも間違いではありませんが、見通しの甘さから「資産家」が「悲惨家」になるのも不動産投資です。まず皆さんに望むことはオーナーと二人三脚で共に歩める実務家です。私たちにとってオーナーは複数でも、オーナーからすればたったひとつの管理会社なのです。

【まごころ通信】 第58話 「宅急便です」「は~い」 by小峰裕子

この秋、皆さんは宅配ボックスの取り付けがない管理物件オーナー様に「設備として置いてはどうか」というご提案を始めました。宅配便の取扱個数はすでに42億個を超え(国土交通省発表)30年前の4倍以上です。

と同時に、昼間誰も家にいない世帯がどれだけ増えたことでしょう。共働きや単身世帯の急増に伴う再配達の増加は、宅配クライシスと言われるまでの社会問題になっているのはご存じの通りですね。

宅配システムは世界に誇る日本のサービスと言われて久しいですが、頼んだ荷物を受け取るためには必ず誰かが待っていなければなりません。「宅急便です」「は~い」。このやり取りが可能なのは、配送スタッフと受取人が時間と場所を「共有」しているからこそ。それが今テクノロジーの進化によって必ずしも必要ではない場面が増えつつあることを、私たちは経験済みです。たとえば電話でのメッセージは時間の共有を強制しますが、LINEにそれはありません。それでもメッセージはスマホに残っていて、繰り返し見たり聴いたりも出来ます。このように人と人とのコミュニケーションにおいて「時間」や「場所」を共有するという絶対性が急速に薄れている一方で、「荷物を受け取る」というコミュニケーションだけが、このままのはずはないでしょう。

世界中で今、時間に縛られないサービスが続々誕生しているという脅威を知るべきです。この先、宅配ボックスは社会的インフラとして整備されることでしょうが、自宅マンションのエントランスにあるに越したことはありません。人気とその必要性共に上昇し続ける宅配ボックス。ご提案は必然、競合物件に後れを取るわけにはいかないのです。

【まごころ通信】 第57話 コーヒーではなく紅茶でもない by小峰裕子

温かいお茶が美味しく感じられるようになりました。10月に入れば、お客さまにお出しするお茶も冷たい麦茶から温かな煎茶へと変わります。茶葉のすっきりした甘さが際立つように、丁寧に淹れましょう。

朝礼前には皆さんお茶で一服。こればかりは季節を通して温かな煎茶です。美味しいお茶の味を知り、お客さまが自分の淹れたお茶を飲んだ時、どのような気持ちになって欲しいのか舌で理解してもらいたいのです。

普段淹れるお茶は「番茶」を使いますが、春以降の若い芽を製茶した「煎茶」と違い、番茶は秋に摘まれた硬い茶葉を製茶したものです。今、コンビニには何種類ものペットボトル入りお茶が並んでいますが、主原料は番茶だそうですよ。実は茶葉の消費量は年々減少していて40年前のピークからすれば半分以下だそうです。家に急須がないという話を聞くと、残念で仕方がありません。日本茶に含まれるカテキンは発ガン作用の抑制や美容効果があるそうですが、ペットボトルより急須で淹れたお茶に多く含まれます。特に一煎めに多く含まれるようですから、風邪予防のためにも茶葉から淹れて飲みたいものです。また、茶葉に水を注ぎ一晩置くと、それは甘みのある水出し茶ができあがります。水出し茶はカフェインが少なく免疫力は高いと良いことずくめ、何より「雅な」香りに癒やされます。

地域によって番茶といえばほうじ茶だったり、徳島の阿波番茶や福井の陰干し番茶など、普段使いの茶葉だけに地方色が豊かに残っているようです。京都の「入り番茶」を頂いた時のお茶請けは「お漬け物」でした。楽しみ方は様々です。コーヒーではなく、紅茶でもない。さあ緑茶でほっこり。

 

大洋不動産社内報「こまめくん」第67号より抜粋

【まごころ通信】 第56話 大和言葉 by小峰裕子

例えばお客さまからのアポイントに対して、断らなければならないとき何と答えていますか。「無理!」とは、まさか言いませんよね。「出来ません」も相手によってはどうでしょう。「あいにくですが、○○はいたしかねます」と言う方が丁寧ですし、表現が和らぎます。

よく耳にしますが「○○は今おりませんが」より、「あいにく○○は不在にしておりまして」の方が、より相手を気遣った物言いになっていることに気が付きます。この「あいにく」という表現は「大和言葉」と言って、日本に元々あった言葉なのです。

「あいにく」は「あやにく」が変化したもので、たいそう憎いことをいうそうです。(奈良大学教授・上野誠氏著書より)「本当なら社長はいるべきなのに、不在なことが憎い、それぐらい残念だ」という気持ちを、「あいにく」という4文字で相手に伝えているのです。「恐れ入ります」「せっかくですが」「申し上げにくいのですが」「差し支えなければ」「おかげさまで」「ご面倒でなければ」、これらもすべて大和言葉です。思えば仕事の場面で結構使っていますし、そう考えると自然に口に出来るようになったら立派な社会人の仲間入りです。入社して1年に満たないスタッフには「りょ!」「了解!」ではなく「かしこまりました」と大和言葉で応対が出来るように、熟練スタッフは「お力添えをお願い」します。

端的な表現になりがちな仕事の場面だからこそ、直言を避け間接的な言い回しの方が相

手方も受け入れやすくなるように思いますが、いかがでしょう。電話やメールは特にそうです。言葉の選び方ひとつで損をしているとしたら「もったいない」ことです。思いやりがさりげなく伝わる大和言葉、大切にしたいですね。

 

大洋不動産社内報「こまめくん」第66号より抜粋