【まごころ通信】第74話 コロナウィルスと不動産価格 by 小峰裕子

間もなく公表される公示価格。これ秋頃に不動 産鑑定士の先生方が調査し、国交省の土地鑑定 委員会が調整、1月1日時点の価格として3月に公 表されるものでして、お上が「不動産の時価なん ぼ」と言ってくれているんですね。

公示価格が決まると、相続税贈与税の算定基準と なる「相続税評価額(路線価)」その80%、「固定 資産税評価額」70%と、ほぼ自動的に決まって いきます。ただ、固定資産税評価額の見直し3年 に一度だけです。見直すことを「評価替え」といい ますが、令和3年度(2021年4月~)がその年に当 たりますから、今回据え置きです。

ところで今、連日コロナウィルスについて報道がな されていますが、ここに来て株価の下落など激震 が走っています。不動産の場合、影響少し遅れ てやって来ますが、当然公示価格コロナ前の価 格ですよね。織り込まれていません。買い控えが進 む一方で、売却して手元現金を増やす流れが強ま れば、売買市場の潮目変わります。一方の賃貸 市場、収束が長引けばまず法人需要が打撃を 受け、店舗、とくに飲食系売上減で家賃値下げ 交渉を余儀なくされるかもしれません。リフォームや 新築の現場で、水回りの設備が入荷せず混乱が 生じています。コロナウィルスの影響と経済の動向 に、目が離せそうにありません。

さて、今年創業から55年、家業から法人になり3 月で20年です。社内報「こまめくん」、かつて社 員皆さんのまとまりをつくり たくて発刊しましたが、お 陰様で役目終えたよう です。「社長から~心にと めておきたい言葉」「まご ころ通信」はブログとして 今後も継続しますので、 良かったらお読み下さい。
ありがとうございました。

【まごころ通信】第73話 おもちと稲の「花言葉」by小峰裕子

「おもち何個にする?」。年神様の拠り所である鏡餅。鏡割りの日は、当社ではぜんざいに入れて皆さんと頂くのが恒例行事です。たくあんの小鉢を添えて、小豆が苦手な人はきなこ餅です。  

農水省のHPによれば、平たく丸いおもちを重ねた鏡餅は三種の神器である円鏡を模したものなのだそうです。さすが農水省、日本の食文化に詳しいですね。おもちについての特集もあります。

見ると『稲には「稲魂(いなだま)」「穀霊(こくれい)」が宿り、人々の生命力を強める霊力があると信じてきました。その霊力は、おもちにするとさらに強まると考えられていたのです』とあります。さらに奈良期に編纂された「豊後国風土記」の紹介がなされていたので、調べてみました。『12代景行天皇の命により、その地を治めていた菟名手(うなて)が「仲津郡に白鳥が飛んで来て集まった。すると鳥は「餅」に変わり、今度は芋草に変わった」と天皇に報告し、取れた芋を献上します。喜んだ天皇は「天の瑞物、土の豊草なり」と、この地を豊国と名付けた』と記されています。後の「豊前」「豊後」ですね。また、こんな話も記載されています。『ある日の明け方、北から白鳥が飛んできて「餅」になった。おごりたかぶった人々がその「餅」を的にして矢で射ると、餅はたちまち白鳥になって南へ飛び去り、豊かだった土地はすぐに荒れ果ててしまった』という話です。おもちが鳥になったり、鳥がおもちになったりと微笑ましくもありますが、おもちは本当に霊的な食べ物と考えられていたことがわかります。

ちなみに稲の花言葉は「神聖」です。  
松の内の間は神様の魂が宿るとされる鏡餅、皆で分け合って食べることで運気や力を分けてもらい、今年1年の無病息災を祈りましょう。願いを込めて、いただきます!

【まごころ通信】第72話 企業寿命30年説 by小峰裕子

年が明けると、令和時代もいよいよ本格スタートです。そして当社は創業から55年、法人としては20年目を迎える、節目の年になりそうです。

箱崎は九州大学所在地だったこともあり不動産業者が多数存在しますが、一番の老舗は当社です。かつて企業は寿命30年と言われていました。改めて私たちは箱崎の地、そしてお客さまに感謝しなければなりません。

企業が持続するためには新陳代謝が必要です。そのため、人に自分の仕事を教えることができる人の存在は不可欠です。これ、思うより難しいことです。経験ないですか?「教えることに手間をかける時間が惜しい」「教えたところで自分以上にできるとは思えない」「言われたとおりにしない」。だからつい自分でやってしまうようなこと、あると思います。仕事は自分で抱え込まず、「やってもらえる人を育成した方がメリットが大きい」と知りながら進まないのは「人に教えること」が仕事の中でも相当難易度が高いことだからなのです。スポーツ界では名選手名監督にあらずなどと言いますが、教えるには「どうしたら相手が分かってくれるか」という相手目線が大切です。「何でこの人こうなのかな」という自分目線だと、人間関係までこじれますよね。 それだけに、令和の時代は「皆さん全員が教えられる人になること」を当社の目標に掲げます。おそらくレベルの高い取り組みとなりますが、皆さんはさらなる成長を遂げることでしょう。

最後に。どこに歪みが生じても不思議ではなかった当社の企業寿命が延びたのは、皆さんとご家族のおかげです。有り難う! 心から感謝しています。

【まごころ通信】第71話 家訓は愛の言葉のお守り by小峰裕子

近頃、家訓に興味を持つようになり気になる本を取り寄せてはパラパラ読んでいます。武家や商家に伝わる家訓は、人生訓やビジネスマンの心得として今に語り継がれています。

例えば... 小才は、縁に出合って縁に気づかず。 中才は、縁に気づいて縁を活かさず。 大才は、袖すり合うた縁をも活かす。 徳川将軍家の剣の指南役、「柳生家」の家訓です。いつの世もチャンスをもたらすのは「人」。有名な家訓なので、知ってるよと言う方もいるでしょう。

そもそも家訓とは、代々その家に伝わる教えや戒めです。代々、というところが「躾け」との違いでしょうか。もちろん、お子さんの自由な考え方を尊重してあげたいとは思います。ただ多様な家族観、そして価値観を受け入れざるを得ない現代においてこそ、時を超え家族が一本の線で繋がる家訓の存在に着目してもいいのでは、と考えます。家訓は家族へ注がれる愛の言葉のお守りであり、紆余曲折ある人生の中で「大事にするべき」との教えが詰まっています。祖父母、父母、子どもと3代続けば100年、さらにお孫さんの代までも。幸せを願う家訓は、家族代々に伝わるトレーニングプログラムと思うと楽しくなります。

女優の菅野美穂さんの実家には、「仕事と健康と貯金は無くなってからでないとありがたみがわからない」との家訓が掲げられていたそうです。素敵な笑顔は感謝の心がけの賜なのでしょう。家訓は必ずいるというものでもありませんが、自分を見つめる軸のひとつになるとは思います。堅苦しく考えず、掲げてみてはいかがでしょうか

【まごころ通信】第70話   縄文時代 by小峰裕子

遡ること約1万年前、氷河期が終わり気候が温暖化して海面が上昇し、日本列島が形成されました。食料も豊富になり、人々は狩りをしながら集落を作って定住生活を送るようになります。皆さんご存じの縄文時代、日本のあけぼの...ですね。

その後、大陸から人がやって来て稲作が伝わり弥生時代が始まり(600年ぐらい続きます)、その後は古墳時代から飛鳥時代(聖徳太子がいた時代ですね)、まあ色々あって時代は移り、2019年の今に至るわけです。

驚くべきは、この2000年余りの間に遂げた文明の発展と私たちの暮らし方です。ろうそくの灯りが電灯になり、手紙は携帯やSNSという時代ですから、変わったなんてものではありません。ところが一方の縄文時代、遺跡から判断すると7000~8000年は続いていたのだそうです。なぜそんなに長く続いたのか不思議に思っていたところ、ある人が教えてくれました。狩猟採集という暮らしぶりでは、得た食べ物の備蓄ができません。そのため、集落の中で貧富の差が発生しなかったそうです。縄文時代の遺跡からは「人に対する武器が出てこない」のだとも。それが弥生時代になると米や雑穀を備蓄するようになり、身分の差が生まれました。リーダーが現れ階級が制度化され、他の集落と収穫物を巡って争いが起こるようになります。考えてみればその後の歴史も、権力と縄張り争いのようなものです。

「強い者でもなく、頭が良い者でもなく、生き残るのは変化できるものである」。ダーウィンの名
言ですが、7000~8000年もの間、争わず変わらない暮らしを続けてきた縄文人は、激変にどう対応したのでしょうね。日本人のルーツを思います。

 

 

【まごころ通信】 第69話   お金持ちになりたい by小峰裕子

皆さんは、お金持ちになりたいと思いますか?また、いくらぐらいあればお金持ちといえると思いますか?そして自分はお金持ちになれると思いますか?

お給料が突然アップするようなことはないですが、私は皆さん全員お金持ちになれると思っています。近道は自分の時給が高いとか安いとか、そんなことは気にしないことです(え~?!)

大学で不動産の講座を何コマか担当していたときのこと、就活の相談を受けることもある中で、数名の学生さんは「お金持ちになりたい」と言うではないですか。若いうちに目標を持つことは良いことです。一攫千金の夢は夢として、不祥ながら3つの心がけを伝えました(小峰説)。ひとつはどんな場面でも「あなたがいてくれて良かった」と思って頂ける仕事をすること。それは素晴らしい「貢献」であり、相手の感謝は形を変え、やがて大きな対価へと結びついていくことでしょう。そして現状を誰かのせいにしないこと。いつだって、そこが自分のスタート地点なのです。さらには、働くことは学ぶことでもあります。お金のために自分の時間を売るのではなく、将来の基盤を築くつもりで就職先を選んで欲しいと伝えました。お金持ちになるには、時代遅れとも言える泥臭さも必要だと考えるのです。

皆さんもお客様から「あなたがいるから」と言って頂けるようになれたら、それは自分の力で稼げる人になった証拠です。その時、皆さんは今よりお金から自由になっていることでしょう。もちろん身の丈を超える暮らしを望み続ければ、お金に不自由なままですけどね。一攫千金を狙っている人には遠い道かもしれません。

【まごころ通信】 第68話   ホームグラウンドの証 by小峰裕子

夏休みも終わり、子供達の元気な声が学校に戻ってきました。「行ってきまーす」「行ってらっしゃい!」。慌ただしい朝の光景です。帰ってくれば「ただいま」「お帰りなさい」。相手がいるから、かけることができる素敵な挨拶言葉です。

「行って」+「来ます」=行ってきます。
「行って」+「いらっしゃい」=行ってらっしゃい。
これ、由来はふたつの言葉がひとつになった日本語で、外国にはこういう決まったフレーズはないそうです。面白いですね。

日本語は、対話から日常表現が成り立つ言葉が多く存在するらしいです。例えばそのひとつ、「行ってきます」は「○○に行きます」、だけど無事に「帰って来ます」と、その場にいる人に必ず戻ってくることを約束している対話が短く略されている言葉なのだとか。一方の「行ってらっしゃい」の「いらっしゃい」は、店先で「いらっしゃい!いらっしゃい!」と呼びかけるように「来て!」の尊敬語です。つまり「行って」も無事この場所に「帰って来て」「帰って来て」と願う言葉なんですね。そして帰ってきたときは「只今」そのままに、無事に戻ってきてくれることを「お帰りなさい」「お帰りなさい」と唱えて待つ人に対して、「ただいま!」と、たった今戻ったことを告げているわけです。案じてくれる相手への感謝の気持ち、言葉の温もりを感じます。

「行ってきます」「行ってらっしゃい」「ただいま」「お帰りなさい」。そりゃ、なじみの焼き鳥屋さんから声かけられることもありますよ。近所のお子さんと「お帰り」「あ、ども」なんてやり取りも。ただ良い言葉ですよね。家族でも他人同士でも、何気なく挨拶を交わすその場所はホームグラウンドである証です。

 

大洋不動産社内報「こまめくん第78号」より抜粋

 

 

【まごころ通信】 第67話  夏の定番ソング  by小峰裕子

夏です。夏は大人になった今も特別な力があるようです。昭和、平成、令和と時代が移り変わる中で多くの夏ソングが生まれました。皆さんも「これ!」という定番夏ソングがあるのでは?

「夏が過ぎ 風あざみ誰のあこがれにさまよう青空に残された 私の心は夏模様」

井上陽水の代表曲「少年時代」の一節です。立秋を過ぎると海辺にあれほどいた人がまばらになり始め、蝉の声がやがてツクツクボウシに変わり、いつの間にか夜になると虫の音が聴こえるようになり、夏が終わろうとしていることを知る、あの感覚。郷愁を誘われる、世代を超えた夏の名曲だと思います。

そして今や笑い話ですが、サザンオールスターズのデビュー曲、「勝手にシンドバッド」も夏ソングのひとつに数えられるそうですね。ただ当時は一発屋と受け止められていました。

まもなく始まる夏の甲子園テーマ曲も耳に残ります。歴代の曲がどれほど歌い継がれていくのかわかりませんが、球児にとっては忘れられない1曲になるのは間違いないでしょう。ちなみに今年はOfficial髭男dismの「宿命」でした。

楽しかった記憶がいっぱい詰まっているからでしょうか。お祭りや花火、海、ドライブなどキーワードが散りばめられた夏ソング。聴くと、あの頃の夏の光景がよみがえります。バブル世代イチ押しの1曲は矢沢永吉「時間よ止まれ」。さて、皆さんの夏の定番ソングはなんでしょうか。暑くなると聴きたくなる、そんなおすすめの夏ソングで短い夏を思いっきり楽しみましょう。

【まごころ通信】 第66話  「AI」と「愛」  by小峰裕子

休みを利用して、携帯電話の機種変更をすることにしました。予約をしたお店に入ると、笑顔のスタッフがカウンターの外に立って迎えてくれます。「おいで頂き、ありがとうございます」。

20代とおぼしき若い男性でした。何と素敵な挨拶でしょう。「ご来店頂きありがとうございます」でも良いのですが、「おいで頂く」という響きに温かさを感じて、うれしくなりました。

人工知能(AI)の時代が進めば、世の中から単純作業が消えてしまうと言います。現象をデータとして数値化できれば、人間が判断するより圧倒的に早く処理できてしまうからです。その範囲は飛躍的に拡大していて、物の区別や手書きの文字まで認識できるそうです。私たちはいたる場所で店員さんのマニュアル化された接客に慣れて久しいのですが、それこそプログラムされたのと同然であり、AIやロボットに移行することもあるのではと考えさせられます。ただAIは理屈では割り切れないことへの対応は苦手です。「気配り」「心配り」、「り」を取ってみればいつの時代も必要とされる人は変わらないと思うのです。「気配から判断する」「心配して差し上げる」。これができる人なら、むしろ相対的に価値は上がり、仕事は増え続けることでしょう。

あるファストフード店では、年長者のマニュアル化されていない接客が評判を呼んでいるのだとか。ベースにあるのはおそらく「気配り」「心配り」。「AI」ではなく、「愛」があるからマニュアルに止まらない態度や言葉が自然と出るのでしょう。不動産業界にしても、データをかき集めて少し気の利いた分析程度なら、もうAIがやってくれています。しかし集めたデータに仮説を立て検証し、伝えるという仕事は残ります。大切なのはお客様に対する「愛」。感謝や愛が伝わらなければ、その仕事はないのと同じです。

【まごころ通信】 第65話 支えてもらう側にできること by小峰裕子

今回は皆さんの老後、そして日本の姿について、お金という側面から考えてみます。まず老後と言えば年金ですが、その受給額はどう決まるのでしょう。

これ、物の値段や現役世代の賃金が上がれば年金受給額も上がるという「物価スライド方式」という仕組みが基本です。そこに2004年の法律改正で、物価や賃金の上昇に応じて増える受給額を自動的に抑制する仕組みが導入されました。「マクロ経済スライド方式」といいます。

仮に物価上昇が続いた場合、調整が入る分だけ年金額の上昇が追いつかない状況になっていきます。厚生労働省の試算によれば、調整は「経済が順調に発展すれば」2043年まで続くとしています。つまり年金だけでは生活が困窮する可能性が高く、若い世代ほどお金は「貯める」のではなく「運用」で増やさなければ間に合わなくなるといえます。現役世代の負担を減らすための調整とは言え、少ない子ども達に支えてもらう社会の現実です。

ただ、私たちは子ども達に支えてもらうことに甘んじることなく、圧倒的に多い高齢世代の数の力で経済を回し、社会に還元して次世代の子ども達を育むことだって出来るはずです。来月から始まる「しあわせ倍増サロン」は、お客様が安心して資産管理と運用に取り組めるよう、公正中立な情報提供の場として開かれます。祖父母や父母の世代は、戦争を乗り越えて私たちに豊かさをもたらしてくれました。日本の未来を信じ、子どもやお孫さんがお金で悩まず幸せに暮らせるように、健全な資産づくりは必須の情勢です。とりわけ不動産は長期投資、他の資産とのベストミックスが肝心。大洋魂を持ってお客様、そしてより良い明日に貢献して参りましょう。「しあわせ倍増サロン」いよいよ始まります。

大洋不動産不動社内報「こまめくん75号」より抜粋